野菜に夢中!サラダコスモ:簡単便利なカット野菜とモヤシやスプラウト野菜の生産者「サラダコスモ」はロハス(LOHAS)の会社です

地元岩村藩出身 佐藤一斎著「言志四録」と西郷隆盛

地元岩村藩出身
佐藤一斎著
「言志四録」と西郷隆盛

NPO法人いわむら一斎塾理事長

鈴木隆一さんにお話を伺いました。

【言志四録】佐藤一斎(1772~859)著

「言志録」一斎42~53歳執筆

「言志後録」一斎57~67歳執筆

「言志晩録」一斎67~78歳執筆

「言志耋録」一斎80~82歳執筆

の4書からなる。


佐藤一斎

美濃(岐阜県)岩村藩家老の家に生まれた佐藤一斎は、

江戸時代の儒学者で江戸幕府直轄の教育機関「昌平坂学問所」の儒官を務めました。

儒学の朱子学・陽明学と見識が広く、

門下生には、幕末の先覚者佐久間象山らがおり、

佐久間象山の門下から幕末の志士、

「江戸城無血開城」の勝海舟

「松下村塾」の吉田松陰らが輩出されています。

 言志四録

佐藤一斎の後半生を通して書かれた語録が「言志四録」です。

「心即理」「知行合一」「致良知」を主要とする

「陽明学」の思想が深く反映されています。

「陽明学」は中国の明の時代に生まれました。

多民族国家で、支配者が変わる度に価値観も変わる、

昨日まで良しと言われていたことが悪となり、

誰を信じて良いのか分からないという情勢の中で

求められた思想です。

日本も時は幕末、開国を迫られ、幕府の弱体化が露呈し、

今まで良しとされてきた教えも形骸化し、

何を信じて良いのかわからなくなる。

そんな時代に向かう頃、ひとつの指針として

支持されたのが「言志四録」です。

もはや机上の空論は通用しない、

行動がともなってこそ真の知の獲得であると

著書の中で説いています。

その基本となったのが「性善説」です。

人は誰でも善の兆しを持っている。

読書をすることはその善に気付き、知ることで、

善を実行することが天命であるという考え方です。

佐藤一斎は、「天は何のために自分を生み出したのか」を

生涯かけて自問し、

書かれたのが「言志四録」です。

この天とは、自然の摂理、宇宙であり、個ではなく公を指し示すものです。

西郷隆盛 終生の愛読書

人生の中で二度の島流しにあった西郷隆盛。

島に持って行き読んでいたのが「言志四録」でした。

世継ぎ騒動、藩のお家騒動に翻弄され、

久光との確執の結果島流しにあい、

最初は、なぜ自分がこんな目に合うのかと人を恨んでいたかもしれない。

しかし「言志四録」を読んで、

天の大きさに比べて人の為すことのなんと小さいことか。

書かれている言葉の中に自分の背骨となる信念を見つけ出したからこそ、

「言志四録」は西郷隆盛の終生の愛読書になった。

西郷隆盛は「言志四録」の中から101条を抜粋し

西南戦争まで持ち歩いていたそうです。

誰にも読み取ることのできない西郷隆盛の最後、

その真意はこの101条の中に書かれていたのかもしれません。

絵本「おじいちゃんとぼく」

「言志四録」は漢文で書かれているため理解するのに時間が掛りますが、

子どもさんにも読める様に絵本にしたものが

「おじいちゃんとぼく」です。

とてもシンプルな言葉に置き換えられているため

普段は見逃しがちですが、

心に引っ掛かるものがある時、

スッと胸に落ちることがあります。

島流しにあった西郷隆盛も

こんな気持ちだったのかと思う瞬間です。

【取っけえべえ!44号】


関連記事

上へ