社長の気持ち最後の5回目は、「夢中になることのすすめ」です。
そうです。立ち止まってなんていられません。夢中になっている時は、辛いとかあまり思わないものです。
遊びに夢中な子どもたちを想像してみてください。転んだことにも気がつかない、そんな姿です。
無農薬・無化学肥料、体に悪いものは、使わないという思いから一歩進んで体に良いもの、健康に役立つものへと進化したスプラウトの生産・販売も軌道にのりました。次に中田を駆り立てたものは・・。
1998年、岐阜県知事より連絡が入りました。「アルゼンチンで非常時に備え、食糧生産拠点としてプロジェクトを展開してくれないか」というものでした。
早々、アルゼンチンに飛んだ中田の目に映ったのは、空いちめん降るほどの星がそのまま地上に舞い降りてきたかのような、ホタルの光の乱舞でした。そこに殺虫剤や農薬が全く使われていないことの証を見たのです。その光景に夢中になりました。この時、中田は、アルゼンチンでの種づくりを決心しました。
食糧自給計画として、ギアリンクス(岐阜県のギ、アルゼンチンのア、がリンクする)を立ち上げました。ギアリンクスは、平常時には、安全な食物を日本に向けて供給し、食糧危機時には、県民の食糧確保のため、アルゼンチンで農場を経営をしています。
この事業は、それまで貧しかった現地の日本人移民農家に確実な仕事と収益をもたらすことになりました。
いちめんを覆い尽くすホタルの群れに感動し、その光景に夢中になることからはじまったアルゼンチンのプロジェクトですが、社会的使命(ミッション)をも果たす事業としても、今後期待されます。
「ビジネスのものさしは、あくまでお金です。お金の威力はすごいけれど、それだけじゃつまらない。それを超えたところに感動や喜びがあると思うのです。人は感動すると重い荷物も重くない。暗い夜道も恐くないんです」と中田は言います。
どんな社会的意義のあるビジネスでも、打算からは何も生まれません。本気で夢中になると、思いもしなかった意義や、ミッションをも引き出します。本当に心を動かされること、夢中になること、夢中になれることが必要なのです。
アルゼンチン、オランダへとグローバルに広がっていった夢は、今、地元中津川にむかっています。農業先進国オランダから技術を導入して、最新鋭の新工場を完成させました。旧工場後地には、国産チコリ工場建設、ファーマーズマーケットや地元の名産、栗きんとんの里で高齢者の雇用も広げて行きたいと思っています。亀の甲より、年の功ではないですが、私たちの得るものは大きいはずです。また社会的意義も大きいと思うのです。
夢は広がって行きます。夢をもちつづけることが、仕事をやり続けて行くために、一番必要なことかもしれません。
転んだら、起き上がり、信じたことを思いつづけ、自分には、うそをつかない。臨機応変に、夢がある方へ、夢中になれる方へ進んで行く。
簡単に5回分をまとめてみました。簡単そうで、実は、難しいことです。これは、あくまでも中田が今まで、会社経営を通してつかんだと感じた“コツ”です。
きっと自分なりの“コツ”があるのだと思います。
まだ、見つかっていなくても
焦ることも、投げ出すこともありません。
“自分なりの”ということが、大切なのです。 |