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「なかつがわ今昔物語」Vol.17 中山道落合宿「門冠の松」

禅寺の松が街道にアクセント  受戒の石柱「不許葷酒入山門」の面白さ

 

中津川市を通る「中山道」には東から馬籠(まごめ)、落合、中津川の三つの旧宿場がありますが、うち落合は最も小規模。でも、その〝ひっそり感〟が独特の風情を醸し、街道ウォーカーの隠れた人気ゾーンになっています。

 

その風情にアクセントを加えているのが、禅寺「善昌寺」の「門冠(もんかぶり)の松」。幹が道にぐっとせり出し、遠目にもわかります。

 

根回り2・3m、高さ10m。山門の脇に立っています。

 

このお寺の創建は江戸時代以前。元は近くの別の道沿いにありましたが、明治時代の道路改修で現在地に移転。そこでこの松と出合った、とのこと。ということは、この場所では松の方が〝先輩〟で、お寺と合体したことで抜群の雰囲気が生まれた、というわけです。樹齢約450年と伝わる、堂々たる老松です。

 

山門の脇には「不許葷酒入山門」(くんしゅ さんもんに いるを ゆるさず)と刻まれた石も。「葷」は臭いの強い野菜や生臭い魚肉のこと。「葷や酒を飲食したり持参したりする者は入れない」という戒めです。

 

ところが、「不許葷 酒入山門」とか「不許 葷酒入山門」と区切りを変えると、前者は「葷を許さず酒は山門に入る」(葷はだめだが酒はよい)、後者は「許さずとも葷酒山門に入る」(だめだけれども葷も酒もよい)と読めてしまいます。厳しいのか寛容なのか、何とも不思議な禅の教えです。

 

風情ある「門冠(もんかぶり)の松」=中津川市落合

「不許葷酒入山門」と刻まれた石=同


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