「なかつがわ今昔物語」Vol.15 恵那山と恵那神社
伊邪那岐、伊邪那美と天照大神 「国産み」の山に古社
山名、地名に宿る伝説の歴史 ウェストンも登った信仰の道
前回ご紹介した「ウェストン公園」から1・3kmほど奥へ進むと、天を突くばかりの杉のご神木が立つ「恵那(えな)神社」があります。恵那山(2191m)にまつわる伝説の元「伊邪那岐(いざなぎ)」「伊邪那美(いざなみ)」の両神が祀られた、ふもとの神社です。
古代、この夫婦神は厳しい峠を越えて美濃の国に入った際に「天照大神(あまてらすおおみかみ)」を産み落とし、国産み・神産みの祖とされています。この山に「胞衣(えな=へその緒、胎盤)」を埋めたと伝わり、それが山名、地名の由来となっています。
そんな歴史を持つ恵那神社は、創始年代こそ不明ですが、平安時代に編まれた国の法制書「延喜式」に「恵奈」という表記で社名が載り、由緒と格式がうかがえます。恵奈、恵那以外にも、「神坂(みさか)」「湯舟沢」「阿木(あぎ)」などの地名に国産みの伝説が反映し、実際に温泉が湧く湯舟沢は天照大神が浸かった産湯が、阿木は産後の安らぎを意味する「安気(あんき)」が由来とされています。真偽はともかく、おおらかなロマンを感じさせます。
恵那山は美濃の国の最高峰で、古来、信仰と修験(しゅげん)の山でした。日本にスポーツ・冒険としての登山をもたらしたウォルター・ウェストンも、明治中期の1893年に恵那山に登った際に、ふもとの恵那神社で安全を祈願しました。
ウェストンが登ったのは神社から続く信仰の道で、4ルートある登山道では最も厳しいとされています。山頂まで約8km、標高差約1600m、完登に約7時間。途中、「行者越え」と名づけられた岩場もあります。
恵那神社のご神木は樹齢約1千年、樹高約46m。岐阜県の天然記念物に指定されています。

天を突くご神木(岐阜県天然記念物)と社殿=中津川市中津川

明治初期建立の本殿は傷みが進み、手前に小さな仮殿を設け、改修費の寄付を呼び掛けている
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「一斎先生こんにちは」Vol.9 岩村郵便局のポスト
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