「なかつがわ今昔物語」Vol.4 中山道中津川宿
矢野書店 創業100年 地域に根づく〝町の本屋さん〟
江戸時代からの風情のみならず、現代では〝珍しい〟ものがあるところも、中山道中津川宿の魅力です。その一つ「矢野書店」(中津川市本町)をご紹介しましょう。
最近の本屋さんは、すっかりチェーン化しています。幹線道路沿いやショッピングモールの中にあって、品ぞろえもよく似た感じです。矢野書店は個人経営のただ1店舗。日本中のあちこちで〝街の本屋さん〟がなくなるなかで貴重です。
中山道ウォーカーたちも、珍しがって入ってくるそうです。
日本の人は中山道や中津川の歴史にまつわる本を手に取ったり、外国からの人は飾ってある小さな書画に見入ったり。「創作書画」を趣味にしている店主の矢野順子さんが「ちょっと描いてみますか」と、店内の休息コーナーで筆遣いを教えることもあるそうです。作品はウォーカーたちのお土産になります。
昭和の初めに創業し、間もなく100年。昔は雑貨や駄菓子も売り、印刷業までしていたとか。書店専業の今はこじんまりした店内に、雑誌から単行本、学習参考書、郷土出版物までびっしり。自費出版本や同人誌も置いています。学校や一般家庭に配達もして、しっかりと地域に根づく老舗です。

中津川宿の町並みにたたずむ「矢野書店」=中津川市本町
店主の矢野順子さん
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