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「なかつがわ今昔物語」Vol.12 映画「青い山脈」③

ぶつかる新旧の恋愛観――伸びやかな新世代と頑固な旧世代
物語は「民主主義の教科書」
白眉のダンスシーン  人間賛歌演じた司葉子さん、雪村いづみさん

 

敗戦後の日本の再出発の時代に、新風を吹き入れた「青い山脈」。どんなストーリーだったのでしょう。

小説と映画で多少の違いはありますが、舞台は戦後間もない地方の女子高。主人公の生徒が男子学生と街を歩いているところを同級生が見たのを発端に、からかいの偽ラブレター事件などが絡み、若い男女のあり方をめぐって学校と町を巻き込む大騒動となりました。

時代設定が、「男女交際はまかりならぬ」いう戦前と、それが反転しようという戦後の端境期とあって、行きつ戻りつしながら、いろんな議論を通して、明るく健康な交わりが認められていく物語はインパクトがありました。今なら当たり前の感覚ですが、作品が「民主主義の教科書」と評されたゆえんです。

 

頑固な大人たちや保守的な同級生たちとの騒動を、手を携えて闘う主人公の女子生徒と女性教師の伸びやかなシーンが、映画の中にあります。

 

日が注ぐ丘の上に立つ2人。「あなた、踊れる?」と教師が問うと、「はい、少し」とはにかんで返す生徒。教師は「じゃあ立って。私たち踊るのよ――」。立ち上がって手を取り合い、妙に真面目な顔を見合わせながら、教師が「はじめにワルツよ。ワン、ツー、スリー、キックス……はい」……。

 

恵那山を背に中津川市駒場の高台で撮影された、優しく、リズミカルな情景は、映像の中でも白眉でした。このシーン、原作者の石坂洋次郎さんはこう描写しています。〈いまはもう、教師でも、生徒でもなかった。若い二人の娘たちにすぎなかった〉。人間賛歌です。

 

生徒役が雪村いづみさん、教師役が司葉子さんでした。活発な印象の雪村さん、清楚で知的な印象の司さん。若き日の2人が織りなす名場面でした。

司葉子さん(教師役)と雪村いづみさん(生徒役)の丘の上のダンスシーン=中津川市
写真はいずれも篠田敏政さん提供

 

見物の市民を背に、若さが弾ける雪村いづみさん(中央)=中津川市


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