「なかつがわ今昔物語」Vol.11 映画「青い山脈」②
♪若く明るい歌声に……主題歌は永遠の青春ソング 即決したロケ地選定
撮影現場は黒山の人だかり 若き篠田少年が〝裏方〟務める
中津川、恵那両市で撮影された映画「青い山脈」は、冒頭、緑あふれる山あいを列車が走り、〈♪若く明るい歌声に 雪崩は消える 花も咲く……〉の主題歌が流れます。「永遠の青春ソング」となっているこの歌を知る人は多いでしょう。
撮影のメガホンを握った松林宗恵監督は「ロケ地を探すなかで、中央線の槙ケ根トンネル(恵那市)を抜けて広がる山並みを車窓から見たとき、『ここだ』とひらめき、即決した」と生前に語っています。その山並みの中心が、私たちの心のふるさと「恵那山」(2191m)です。
中津川市では中津川駅前や中山道の本町、新町、駒場地区の丘陵、恵那市では木造校舎だった恵那高校や恵那峡(木曽川)などが舞台となりました。
撮影の盛り上がりを知る人がいます。
中津川市でビジネスホテルを経営してきた篠田敏政さん(87)です。当時、篠田さんの父・初太郎さんは市内で三つの映画館を営み、中津高校の3年生だった息子に撮影の手伝いを命じました。
撮影チームの宿泊先や食事の手配、記録写真の撮影、機材運び、エキストラの確保、交通整理……。そんな明け暮れで夏休みは瞬く間にすぎましたが、年齢がそれほど違わないスターたちと交わりながら撮影を見守る日々は「心が躍った」と言います。「ここの名物は何?」と主演女優の雪村いづみさんに聞かれ、「五平もち」を差し入れたのも思い出。「代わりにたくさんの色紙にサインをしてもらいました」
主役を担った雪村さん、司葉子さん、宝田明さんは20代前半。脇役陣も志村喬さん、浪花千恵子さん、草笛光子さん、久保明さんらの名優。映画が最大の娯楽だった時代に「どの撮影現場も見学の市民で沸騰し、映画も大ヒットした」と振り返ります。

冒頭シーンの撮影。主役を演じる雪村いづみさんが中津川駅を降りて歩みだす
=中津川市、写真はいずれも篠田敏政さん提供

はつらつとした主役の雪村いづみさん。ロケ現場は黒山の人だかり=中津川市
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