蔵元手造り 野菜のための 塩麹
ちこり蔵 蔵長の豊岡さん
自ら手を挙げて行った鹿児島の蒸留蔵での修行から戻り、
2006年より、ちこり焼酎ちこちこの蔵長を務める。
今回、蔵長として培った‘醸し’から
蔵元にしかできない‘塩麹’に挑戦した。
醸(かも)したい
焼酎造りは、麹作りから始まります。
麹は米や芋のでんぷんを糖に変える酵素を生み出します。
麹が作った糖に酵母菌を加えるとアルコールを造り出すのです。
これをどう蒸留するか、どう熟成させるかによって焼酎の味が決まってきます。
これは塩麹も同じです。
麹と塩を一緒にすることによって生まれた酵素が
タンパク質をアミノ酸に変え、
でんぷんを糖分に変え、
油分を分解するので、
例えばお肉の料理だったら柔らかくなって旨みが増し、
甘みが増して、さっぱりする。これが塩麹です。
同じ麹でも熟成のさせ方によって焼酎になったり、
お肉や魚を美味しくする塩麹になったりします。
蔵長になって6年、日々麹の魅力に惹かれるばかり。
「醸してみたい」
普段、焼酎を仕込んでいる「白麹」と
ちこり等の野菜作りに使っているモンゴルの岩塩を、
焼酎造りに最適な表面がざらざらで
蔵持菌が住み着きやすい陶器製の甕に仕込んだら、
水を加えて約2週間、
櫂入れをしながら充分醸された‘生きてる塩麹’の出来上がりです。
ちこり蔵 蔵元手造りの塩麹
白麹を使っているのでクセがなく食べやすく、
通常の塩麹が麹3:塩1に対して、麹4:塩1にしているので、減塩です。
また麹のお米は岐阜県産のお米を使っています。
長い時間熟成しているので、
米のつぶつぶがあまり残っていないトロトロの塩麹が出来上がりました。
素材に馴染みやすいので、そのまま野菜にかけても美味しいです。
また、冷蔵庫に入れておけば保存がきいて野菜が長持ちします。
肉や魚だけでなく、野菜も美味しくなる塩麹です。
同じ釜の飯・・・ではないですが、同じ甕の麹・・・で熟成された
‘ちこり焼酎’の肴に‘塩麹の料理’が良く合います。
そこで、塩麹を使った‘料理レシピ’を作りました。
主食からおかず、デザートまで色々あります。
ちこり村の塩麹は、使いやすいチューブ入りなので、
気軽に使っていただけると思います。
生きている麹
麹の魅力は‘醸す’こと。
日本酒、焼酎、味噌、食酢、漬物、しょう油などの発酵技術。
日本人は、昔から麹が体に良いことを知っていました。
この昔からの知恵を現代の日本人も上手に取り入れたいものです。
蔵元手造り甕仕込み。
今日もちこり蔵の甕からは、麹の音が聞こえてきます。
ぜひ、一度ちこり村に、生きている麹の音を聞きに来てみませんか。
【取っけえべえ!19号】