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「一斎先生こんにちは」Vol.5 藤井時計店

間もなく創業100年 店主は修理の名人
「理に逆らうな」「人の作ったもので直せぬものはない」

江戸時代の民家も珍しくない恵那市岩村町の本通り(重要伝統的建造物群保存地区)に、ひときわ〝しぶい〟雰囲気の時計屋さんがあります。この店「藤井時計店」は昭和の初めに創業、間もなく100年を迎えます。

建物は江戸後期、文政元(1818)年の築。店内には創業の頃から時を刻み続ける高さ2mの柱時計が鎮座しています。町の商工や文化の振興にも尽力してきた店主・藤井志朗さん(83)は、父親を継いだ2代目。知る人ぞ知る、修理の「名人」でもあります。

遠方からも持ち込まれる時計には様々なドラマがあります。「ずっと家族を見守ってくれた」「入学時からはめてきた」……。大きな時計から腕時計まで「また動いてほしい」という気持ちに応えるため、静かになった夜に気合を入れて修理作業に取り組むそうです。

道具のピンセットを左右の手に持ち、精緻に動かす職人芸。部品は自ら作ることもあります。こうした時計は主に昔の機械式で、「クオーツ式や電波式にはない〝味〟があり、私も引かれる」と語ります。

「理に逆らわない」

「人の作ったもので直せないものはない」

19歳で名古屋市の時計店に弟子入りしてから、この道64年。藤井さんの落ち着いた口調は、何か一斎先生の教えを聞くような味わいがあります。

創業100年が近い藤井時計店。建物は築200年余、副看板に付く小屋根がおしゃれ=恵那市岩村町

店主の藤井志朗さん


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