「なかつがわ今昔物語」Vol.3 中山道中津川宿 見比べてみると・・・
歌川廣重の絵と今の姿
中山道中津川宿を西に歩くと、程なく「中津川橋」があります。それを渡り、1級河川・中津川の左岸堤道路を下流に少し行くと、江戸時代の街道図会「木曽海道六十九次之内 中津川」にそっくりな光景に出合えます
手前に河川敷、川の流れ、橋、かなたに恵那山。浮世絵師・歌川廣重(1797~1858年)の傑作と似ていることに、何かほっとします。「古里は連綿と続いているのだ」と。
中津川市の中山道歴史資料館に聞いてみました。「やはり違いはあります」と、こんな説明を受けました。
まず、橋の位置。江戸時代の木橋は今よりも下流にあり、それが現代の景観と印象の違いを生んでいます。家々の数の違いはいうまでもなく、廣重の絵は手前に緑の田畑を描き込み、家並みは後方にわずか。現代は家が立て込んでいます。
実は廣重はもう1枚、雨の中津川風景も描いており、そちらは全く違う景観で、橋は描かれていません。恵那山の稜線も実際とは大きく違い、「雨の中津川は想像で描いたのでは」と言われています。
いずれにしても、「今昔」を比べてみることは興味深く、みなさんも足を運ばれてはいかがでしょうか。現在の中津川橋はもちろんコンクリート橋です。
写真1・2)歌川廣重が描いた「晴れ」の中津川宿と「雨」の中津川宿
写真3)同じ位置からの今の景観
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